みなさんは日本人の平均貯蓄額をご存じですか?
年代によって、性別によって日本人の平均貯蓄額は変わってきます。
平均貯蓄額を知っていれば自身の目標を設定するうえで大きな指標になってくるはずです。
そんな方のために今回は日本人の平均貯蓄額の解説をしていきたいと思います。
自分が今周りの人たちよりお金を持っているのか、是非本記事を参考に比較してみてください!
日本人の平均貯蓄額とは?
金融広報中央委員会「2019年 家計の金融行動に関する世論調査」によると、日本の2人以上世帯の金融資産の平均は1,139万円です。
貯蓄は明確には定義されておらず、広く「資産(主にお金)を蓄えること」を指す言葉です。資産の保有形態としては下記が挙げられます。
- 貯金
- 預金
- 株式・投資信託
- 国債
- 不動産
- 保険
現在の政権ではこの平均貯蓄額を上げることを目的とした積極的な投資を促す経済政策の実現を目指すことも発表されています。
「貯蓄」と「貯金」の違いとは
「貯金」は、貯蓄のうち「お金を貯める」という行為を幅広く表します。
例えば、以下のような貯め方があります。
- 貯金箱に小銭を入れる
- タンスに現金をしまう(タンス預金)
- 銀行や郵便局にお金を預ける
お金を株式や投資信託といったものに交換して保有するのではなく、お金として貯めていくことが貯金と呼ばれます。
元本割れするリスクがないことから安定した貯蓄方法として使われる貯金ですが、インフレ時の物価上昇により、価値が目減りするデメリットがあります。
ちなみに、個人的にお金を保管すること以外でも、例えば企業の福利厚生の1つである財形貯蓄も「貯金」に分類されます。
「貯蓄」と「預金」の違いとは
「預金」という言葉は、貯蓄のうち、都市銀行や地方銀行、信用金庫や信用組合、ネットバンク、労働金庫などの金融機関にお金を預けることを指します。
貯金が銀行預金を含むお金を貯めることを広義に表す一方、預金は金融機関に入れたお金のことです。
金融機関にお金を預ける(預金する)と、決して高くはありませんが金利が付くことが特徴です。
日本の貯蓄の平均値と中央値は?
貯蓄額を知っておく上で必要になってくるのは平均値はもちろんですが中央値も必須となってきます。
平均値:データを足し合わせ、データの個数で割った値
中央値:データを小さい(または大きい)順に並べ、中央にある値
平均値は一部の大きい、あるいは小さい数字に影響される傾向があるため、中央値の方がより実態を反映しているといえるでしょう。
平均値は一部の極端に大きいもしくは小さい数字に影響される傾向があります。
お金のデータを見る際に、「平均より中央値の方がより実感に近い」と感じるのはこのためといえるかもしれません。
それぞれの日本の値を見ていきましょう。
日本人の平均貯蓄額
金融広報中央委員会「2019年 家計の金融行動に関する世論調査」によると、日本の2人以上世帯の金融資産の平均は1,139万円です。
この数字は金融資産が全くない人(全体の23.6%)を含んだ平均値で、これを除くと1世帯当たりの平均は1,537万円になります。
参照:http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa16/dl/16.pdf
貯蓄額の中央値は419万円
2人以上世帯の金融資産の中央値は419万円です。高額の資産を持つ人が平均を引き上げていますが、分布が多いのは400万円前後ということです。
なお、単身世帯では金融資産の平均645万円に対し、中央値は45万円と少額です。
金融資産を持たない人が4割近くいることが一因と考えられます。
年代ごとの貯蓄額は?
日本での各年代ごとの貯蓄額は下記のようになっています。
2人以上世帯
年代 | 平均貯蓄額 | 中央値 |
20代 | 165万円 | 71万円 |
30代 | 529万円 | 240万円 |
40代 | 694万円 | 365万円 |
50代 | 1194万円 | 600万円 |
60代 | 1635万円 | 650万円 |
全体【2人以上世帯】 | 1139万円 | 419万円 |
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa16/dl/16.pdf
単身世帯
年代 | 平均貯蓄額 | 中央値 |
20代 | 106万円 | 5万円 |
30代 | 359万円 | 77万円 |
40代 | 564万円 | 50万円 |
50代 | 926万円 | 54万円 |
60代 | 1335万円 | 300万円 |
全体【2人以上世帯】 | 645万円 | 45万円 |
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa16/dl/16.pdf
世帯ごとの貯蓄額は?
世帯構成 | 平均貯蓄額 | 中央値 |
単身者 | 645万円 | 45万円 |
夫婦のみ | 1331万円 | 501万円 |
夫婦と子供 | 1060万円 | 500万円 |
夫婦と親 | 1775万円 | 900万円 |
その他 | 925万円 | 234万円 |
全体 | 1139万円 | 419万円 |
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa16/dl/16.pdf
単身の世帯
「単身」世帯の貯金額は、全体平均をかなり下回っています。
1人分の貯蓄額になるため、他世帯に比べて額は少なくなっています。
また、他世帯と違って出ていくお金も少ないため貯蓄に対して意識を置いている人もおおくないということも一つ要因になっています。
夫婦のみの世帯
「夫婦のみ」世帯の貯蓄額は、全体平均を200万円以上も上回っています。
主な理由として、子どもの教育費が必要ないことや、子育てが不要で共稼ぎの世帯が多いことが挙げられます。
夫婦と子供の世帯
「夫婦と子ども」世帯の貯蓄額は、全体平均より少なめとなっています。子どもの教育費がかかる、子育てのために仕事を辞める、年齢の若い人が多く年収が低い傾向にあることが要因だと考えられます。
また、「夫婦のみ」世帯も同様ですが、住宅ローンがある場合は支払いが大きな負担となるでしょう。
夫婦と親の世帯
「夫婦と親」世帯は、全世帯の中で最も貯蓄額が多くなっています。教育費がいらない、夫婦共働きが多いなどの点は「夫婦のみ」世帯と同様です。
平均貯蓄額を上げる3つの方法とは?
アプリで収支を管理する
銀行口座と紐付けた銀行アプリや家計簿アプリを活用すれば、月々の収支を自動的に管理してくれるため、自身で記録する手間が省けます。
また、支出額を客観的に把握できるので、節約すべき項目を絞り込みやすくなり、効率的な貯金へつながります。
「貯金専用口座」を開設する
メインで入出金を行う口座とは別に、「貯金専用口座」を開設するのも一つの手です。毎月の給与が支払われるタイミングで、貯金したい金額を優先的に「貯金専用口座」へ振込むことで、貯金を無理なく習慣化できるでしょう。
自分で振込む時間が取りづらいという方には、銀行の「積立定期預金」の利用がおすすめです。
積立定期預金では、指定の預金口座から毎月決まった日に口座振替を行われるため、必要なライフイベントに備えて、計画的に積み立てられます。
生活にかかるコストを見直す
効率的に貯金するには、家計の収支を把握したうえで、生活にかかるコストを見直すことも大切です。具体的な方法には、家賃や食費、水道光熱費、通信費、保険料などの支出をひととおり書き出してみましょう。
リストアップしたあとは、支出額を減らしやすい項目を抽出してみてください。なかでも、通信費や保険料などのいわゆる「固定費」は、契約する業者やプランを見直すことで費用の減額が期待できます。
毎月の支出が減れば、貯金に回せる金額を増やしやすくなるため、定期的に見直してみましょう。
まとめ
今回は日本の平均貯蓄額について解説してきました。
日本の円安が進む一方で最近の貯金額は年々少なくなってきているのが現状です。
平均値よりも少ないからといって焦る必要はありませんが、これから起こるであろうライフイベントに向けて貯蓄はしっかりと考えて生活していくようにしましょう。